ベストアニソンまとめ~90年代~

会長、副会長ともに最も思い入れのある1990年代のアニソン。なぜかといえば、お察しください(笑)思えばこの頃は、1日に必ず2つ以上はゴールデンタイムにアニメが放映されていました(特にテレビ○京系の局は専門チャンネルかとつっこみたくなるほど)。また、一部のアニメがいわゆる「オタク文化」に昇華したのはこの時代からだと思います。それだけに、アニソンの質も多様化し、70年代に観られたような「男らしさ」「女らしさ」といった単純な描き方は「いくつかあるパターンの1つ」になってしまいました。この後の2000年代にはそれさえも影をひそめることとなるのですが・・・それはさておき、90年代のアニメとその主題歌たちの華々しさは今でもまぶしいです。

 

森川美穂

ブルーウォーター

ふしぎの海のナディア オリジナル・サウンドトラック(Forever NADIA)

ふしぎの海のナディア」(1990~91年)のOPです。この作品はもともと宮崎駿の「天空の城ラピュタ」(1986年)の原型となった企画がNHKに形だけ残っており、それをガイナックスが全く別のものとして制作したという経緯があります。そのためアトランティス人の末裔や青い石・ブルーウォーターなど、ラピュタと似たような要素があります(しかしジブリ作品とは無関係です)。総監督は庵野秀明、キャラクターデザインは貞本義行、音楽を担当したのは鷺巣詩郎。お気づきの方もいるかもしれませんが、のちに彼らは「新世紀エヴァンゲリオン」の製作に携わります。そのため、「ナディア」の作中には最初の人間であるアダムなど、「エヴァ」のヒントになったであろう要素も登場します。特にサウンドトラックは必聴です。「エヴァで聴いたことがある!」というものもあるんです。他の作品との関連性を横に置いても、名作であることは間違いありません。OPであるこの曲自体も完成度が高くさわやかに仕上がっており、比較的アニソンっぽくない曲となっています。作曲を手掛けた井上ヨシマサは、現在AKB48の楽曲も多く担当しています。また、これを歌う森川美穂の歌唱力には脱帽です。

 

馬場松子

微笑みの爆弾

微笑みの爆弾

幽☆遊☆白書」(1992~95年)のOPです。主人公である浦飯幽助(うらめしゆうすけ)が生き返るところから物語が展開するという、今までのアニメと比べると一風変わった設定の作品でした。放送当時は担当声優で若干クレームがあったなんて逸話もありますが(笑)TVアニメ放送期間中EDは6代目まで変わりましたが、OPのほうは最後までこの曲が使われていました。
 

WANDS

世界が終るまでは…

THE BEST OF TV ANIMATION SLAM DUNK~Single Collection~

スラムダンク」(1993~96年)のEDで、この曲は1994年から使用された2代目です。「スラダン」主題歌の中では最も名曲、と言いたいところですが、この歌以外にも大黒摩季の『あなただけ見つめてる』やZARDの『マイ フレンド』など、90年代J-POPを彩る名曲といわれるような楽曲が主題歌としてそろってしまっている(とは言っても「スラダン」人気がこれらの楽曲の認知度を上げたのは事実ですが)ため、断言するのは難しいです。しかし今改めてこの曲を聴けば、90年代の音楽が2000年代以降の音楽と違うと感じ取れるのでは、と思います。
 

須賀響子

近道したい

  ぼのぼの」(1995年)のEDです。その画風から児童向けアニメだと思われがちですが、少なくとも原作の漫画では大人向けで、内容に哲学的な問いかけや言葉が多くちりばめられているのが特徴です(TVアニメ版はその点若干抑え気味ではありますが)。主人公ぼのぼの、アライグマやシマリスといったかわいい登場人物の何気ない一言は何か考えさせられるものがあります。主題歌であるこの曲もそんな作風に合わせたかのような歌詞とも取れますが、のんびりしていて明るい雰囲気です。
 

鈴木結女

輝きは君の中に

決定盤!!「オリジナルTVアニメ」ベスト

NINKU -忍空-」(1995~96年)の初代OPです。主題歌にしてはメッセージソングという性格で、大人が聞いてもじーんと来るものです。作品と曲の雰囲気がイマイチ合わないような気もしますが。 

 

高橋洋子

心よ原始に戻れ

NEON GENESIS EVANGELION [DECADE]

新世紀エヴァンゲリオン」(1995年~)のイメージソングとして、1997年に出されました。このアニメのOPである『残酷な天使のテーゼ』はみなさん真っ先に浮かぶかと思いますが、一方この曲はテレビなどでは使われていなかったため、知名度では劣ります。しかし非常に重要な楽曲であるため、こちらを選びました。「エヴァ」はTV版、劇場版、新劇場版などを通して様々な楽曲が作られましたが、先ほど挙げた『残酷な天使のテーゼ』は主人公の碇シンジ、この『心よ原始に戻れ』は惣流・アスカ・ラングレー、そしてこちらも名曲とされている『魂のルフラン』(今紹介している『心よ~』は、『魂の~』がシングルリリースされた際のB面に収録されていました)は綾波レイと、主要キャラクターそれぞれの人物像をイメージしたものだとも言われています(確証は取れていませんが・・・しかし実際、2012年にはアスカ役の宮村優子がこの曲をカバーし、シングルとして発売されています)。「エヴァ」に関する曲全般に言えることですが、この時期はアニメの主題歌の多くがJ-POPになる中で、非常に作品の世界観を巧みに反映した「アニソンらしさ」が目立っていたと思います。だからこそ、「エヴァ=オタク」のイメージさえ出てきたのでしょう。
 

the FIELD OF VIEW

DAN DAN 心魅かれてく

DAN DAN 心魅かれてく

 「ドラゴンボールGT」(1996年~)のOPです。この作品、実は原作漫画には描かれていないオリジナル作品です。だからこそ「悟空が子供に戻ってしまう」などのリセット的演出も可能だったんですね。本編の内容はさておき、この曲は『突然』がヒットしたthe FIELD OF VIEWが歌っているだけあって、今までのドラゴンボールシリーズの主題歌とは少し違った純粋なJ-POP路線と言ってよいでしょう。異なる言い方をすれば、あまりドラゴンボールらしくないということになりますが、非常に聴きやすい歌であるのは間違いありません。90年代の匂いがそこかしこから漂っているPVも、YouTubeでぜひご覧ください。
 

JUDY AND MARY

そばかす

るろうに剣心 Complete Collection

るろうに剣心~明治剣客浪漫譚~」(1996年~)のOPにして、JUDY AND MARYの代表曲の1つに挙げられます。ぜひ当時のOP映像を観ていただければ、このアニメの良さが伝わってくるはずです。また、6代目のEDであるSIAM SHADEの『1/3の純情な感情』も必聴です。ちなみに「剣心」は後に何回か映画化されています(佐藤健主演の実写版は記憶に新しいところです)が、アニメ映画については、TVアニメ版と同じ画とそうでない画の作品があり、見比べると面白いです。
 

影山ヒロノブ

GET THE WORLD

爆走兄弟レッツ&ゴー テーマソングコレクションPLUS!!

爆走兄弟レッツ&ゴー!!」(1996年~)の第2期にあたるWGP編(1997年)のOPとして使われた曲です。副会長的には第1期の主題歌である山形ユキオの『ウィニング・ラン! 〜風になりたい〜』もおすすめですが、アニソンらしさとアップテンポの強さから、こちらにしました。思えばこの作品が放送されていた頃は空前の「ミニ四駆」ブームになっていて、街中のおもちゃ屋さんでも休日にはレースが行われていたほどでした。今から考えてみても、なかなか凝った作りのおもちゃだったと思います。アニメのほうも男子からは大絶賛されていました。しかし当時の少年たちは「ミニ四駆は実際、アニメで出てくるような技(例:サイクロントルネード)なんてできない」と初めからきちんと割り切っていながら夢中になっていたのは不思議でした。
 

坂本真綾

約束はいらない

坂本真綾 15周年記念ベストアルバム everywhere(初回限定盤)(DVD付)

天空のエスカフローネ」(1996年)のOPにして、坂本真綾のデビュー曲でもあります。彼女はこのアニメのヒロイン・神崎ひとみの声優も担当していましたが、なんとこのときまだ高校生だったそうで(!)。とは言っても「エスカフローネ」自体の知名度は同時期のアニメに比べると低いのです(放映当時にTVで観ていた人はいらっしゃいますか?ちなみに副会長は観ていました)。放送されていた時間帯が完全に小学生がTVを観るタイミング(18:00スタート)だったのにも関わらず、大人が観るような非常にハイクオリティな内容や画風だったこと、ロボット作品でありながら今までと異なるファンタジー的要素やラブストーリーが強いことによるのだと思います。日本国内ではそのような感じだったのですが、海外(特にヨーロッパ)では高い評価を得て人気になったとか。ちなみにEDの『MYSTIC EYES』も隠れた名曲です。 
 

松本梨香

めざせポケモンマスター

ポケモンTVアニメ主題歌 BEST OF BEST 1997-2012

ポケットモンスター」(1997年~)の初代OPです。ポケモンの主題歌といえば真っ先にこの歌が浮かぶのですが、みなさんはどうですか?もちろんご存じですよね?最近のポケモンをやっている子供たちはもう、この歌を知らないんだとか(衝撃です)。「たとえ火の中水の中草の中森の中~」ですよ!それにしても一話完結型のアニメではないのにも関わらずシリーズ自体はまだ続いていて、しかもまだちゃんとサトシが主人公(かつ松本さんが声の担当を続けています)だなんて、ロングランですよね!
 

the FIELD OF VIEW

渇いた叫び

complete of FIELD OF VIEW at the BEING studio(期間限定スペシャルプライス盤)

遊☆戯☆王」(1998年のテレビ朝日系列版、現在よく知られているテレビ東京系列版とは別の作品)のOPとして使われました。非常に洗練され聴きやすい曲でしたが、残念ながらこのアニメ自体が半年で放送終了となってしまい、そればかりか、DVD化されることもない「幻の作品」となってしまったようです。確かに私(副会長)から見ても、のちに放送されていた「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」のほうが好きでしたし(笑)でも主題歌のレベルでは確実に初代のほうが勝っていると思います。ちなみにこちらのEDは、あのWANDSが歌っている『明日もし君が壊れても』という楽曲で、こちらも必聴です!
 

和田光司

Butter-Fly

Butter-Fly

デジモンアドベンチャー」(1999年~)のOPです。一時はポケモンと人気を二分するところまでいきましたね。登場人物などは変化しますがこの作品もシリーズ化され、和田光司が主題歌を担当する、というのはお決まりになりました。ちなみにこの曲はいくつかの外国語版も存在するようです。 
 

きただにひろし

ウィーアー!

ONE PIECE MEMORIAL B

ONE PIECE」(1999年~)の初代OPです。アニメ開始時この曲のイントロに挿入されていた「富、名声、力・・・」で始まるナレーションを一度は覚えようとした経験があるのでは?(笑)この曲に対するアンサーソングとして最近、同じくきただにひろしが『ウィーゴー!』という主題歌を出しています。 
 

坂本真綾

プラチナ

カードキャプターさくら 「コンプリート・ボーカル・コレクション」

カードキャプターさくら」(1998~2000年)の3代目OPです。昨今にわかにこの番組が再ブレイクしていて、おもちゃさえもヤフオクで高額取引される事態になっているとかいないとか。また、本放送していた時のチャンネルが某公共放送で、しかも日曜の夕方の放送だったため、マニア層だけでなく当時小学生だった女性たち(とその家族)の間での知名度も高く、ある意味変わった作品だったのかもしれません。そのため、この曲に限らず他のOP、EDも、結構知っている人が多いのではないでしょうか。